ジモメシ Vol.2 石川 いかのせいか白湯醤油ラーメン 石川県って実は“イカ王国”!?日本有数のイカの名産地、能登小木港が誇る「船凍イカ」。能登 小木港

イカの3大漁港のひとつ、石川県の[能登小木港]とのプロジェクト「能登小木港いかのせいか白湯醤油ラーメン」。

今回訪れたのは、JR金沢駅から車で約3時間、能登半島の先端に近い北東部に位置する[能登小木港]。

この地で先祖代々イカ漁を営んできた小川栄次さんと合流。
小川さんは明治末期に創業した水産会社[永宝水産]の6代目にあたる。
詳しい話を伺いに、一同は[イカの駅 つくモール]へ。

能登小木港が誇る特産物「船凍スルメイカ」とは?

インタビュー

能登小木港の歴史について教えてください。

小川栄次さん

小木でイカ釣り漁が始まったのは明治時代のことでした。明治期から大正初期までは手漕ぎの船で漁をしており、イカはもちろん、タラやサケ、マスなどもよく獲れる天然の良港としてにぎわっていたそうです。昭和期になると、大型漁船を使った小木のイカ漁は最盛期を迎え、全国トップクラスの漁獲量を誇る船団基地として注目を浴びました。現在もイカの3大漁港として知られています。

インタビュー

昔からイカ漁が盛んだったんですね。能登小木港ならではのイカ漁の特徴ってありますか?

小川栄次さん

通常のイカはまとめてブロック状に凍結しますが、能登小木港では1本1本凍結します。小木発祥のこの技術は、港の長い歴史の中でも一番の財産と言えますね。小木のイカは「船凍スルメイカ」と呼ばれており、獲った後すぐに船の上で凍らせるので鮮度も抜群です。

インタビュー

生のイカとはどんなところが違うのでしょうか?

小川栄次さん

生のイカと船凍スルメイカでは、同じ品種でも食感や味わいがまったく異なります。例えば生のイカはコリコリとした食感ですが、船凍スルメイカの食感は柔らかく、そして驚くほど甘みが強いんです。

インタビュー

同じイカでもそんなに違うんですね!

小川栄次さん

食べ比べてみると、すぐに違いがわかりますよ。石川県って聞くとカニやブリを思い浮かべる方が多いと思いますが、実は県内の水揚げ高1位はスルメイカで、そのうち船凍スルメイカは全て能登小木港で水揚げされています。「石川県=イカの県」って言ってもいいくらいだけど、県内でもあまり知られてないんですよね。

インタビュー

確かに、イカがそんなに獲れるとは知りませんでした。地元ならではのおいしい食べ方はありますか?

小川栄次さん

みなさんの「イカの刺身」のイメージって単に生のイカを切ったものだと思うのですが、小川家では一度さっと湯通し、ショウガ醤油で食べるのが定番。もちろん家庭によって違いはありますけどね。
熱を通しすぎると色が変わってしまうので、さっと湯通しするのがポイントです。甘みがぐっと増して、ピリッと辛みのあるショウガ醤油と合うんですよ。

インタビュー

なるほど。そのまま食べてもおいしいけど、更においしくなるひと工夫ですね。

「船凍スルメイカ」で小木のまちを守っていく。

インタビュー

2023年に6代目に就任して、日々どんな想いでイカ漁に取り組んでいますか?

小川栄次さん

東京から久しぶりに小木へ戻ってきた時、港に並ぶ漁船の数が大幅に減っていたことに衝撃を受けました。昔は50隻以上あった船が、今ではわずか7隻に。更に能登半島地震の影響もあり、人も減少してしまいました。特に小木の産業はほぼイカ漁に限られているので、水産会社として自分たちの船を守りつつ、どうやってにぎわいを取り戻すか、このまちをどう維持していくかを考えることが責務だと感じています。

インタビュー

震災後はお店や人もかなり減ってしまったのでしょうか?

小川栄次さん

そうですね。少しずつ船は減ってきていましたが、震災をきっかけに人が離れたり、お店を畳んだりする方もいました。私が小木に戻ったのはコロナ禍の2020年で、父から会社を引き継いだのが震災直前の2023年。巡り合わせというか、先祖から「お前がこのまちを守れ」と言われているような気がして、能登小木港を守りたいという気持ちは一層強くなりました。

インタビュー

そうだったんですね……。能登小木港への想いの強さが伝わってきます。

小川栄次さん

もうひとつ大事にしているのは、乗組員ファーストの姿勢です。私がこのまちに戻ってきた時、乗組員である漁師さんから「自分たちが釣ったイカがどこへ、どれくらいの価格で流れているのかわからない」と言われたんです。そこで、漁師さんに誇りを持って働いてもらえるよう、前職のつながりを活かし、誰もが知る有名企業とのコラボレーションにも挑戦しました。特に、3年前のスシローさんとのプロジェクトは好評でしたね。自分が釣ったイカを全国で食べてもらえるし、家族を連れて気軽に店舗にも行ける。漁師さんたちのモチベーションも上がって、更に販売を強化した結果、昨年はありがたいことに第86永宝丸は漁獲高に貢献する事ができました。

インタビュー

すごい!ちゃんと結果につながっていますね。

小川栄次さん

そうですね。ただ、現状に満足せず、更に商品価値を高め、販路拡大に努めたいです。

このプロジェクトがふるさとを離れた人の力に。

インタビュー

今回のプロジェクトへの期待も高まりますね。

小川栄次さん

能登半島地震で被災した人への想いも強いです。震災をきっかけに、親族を頼って県外へ移った方や、新しい土地で生活を始めた方など、今も多くの方がふるさとを離れて暮らしています。だからこそ、全国に店舗を展開しているスシローさんとの取り組みを通じて、能登小木港のイカの味を届けられることに大きな意味を持つと感じています。

インタビュー

やはりイカは、能登の方々にとって特別な味なんですね。

小川栄次さん

そうですね。まさに能登のソウルフードと言える存在です。子どもの頃から食卓によく並んでいましたし、家族やふるさとの思い出と強く結びついています。そんな慣れ親しんだ味を、全国のスシロー店舗で気軽に味わえる。それは単なる食の提供にとどまらず、被災した方々にとって“ふるさとを思い出すきっかけ”になるのではないかと思います。

小川栄次さん

能登小木港のイカを通じて「また食べられた」「懐かしい味に出会えた」という体験で、ふるさとを離れた人々が少しでも前を向く力になれば嬉しいですね。
能登には、船凍スルメイカ以外にも豊富な水産資源があります。まだまだ震災の復旧段階ですので、今回のスシローさんとの取り組みで能登のイカをきっかけに、他の能登の豊富で美味しい食材がたくさんあるので食ベて欲しいです。

インタビュー

最後に、今後の展望を教えてください。

小川栄次さん

能登小木港に並ぶイカ漁船をもっと増やし、まちの風景を少しでも以前に近付けることで、活気を生み出せたらと考えています。小木のまちや人々、そして日本海を守るという、先祖から受け継いだ大きな責務を果たしていきたいです。

能登小木港の観光名所[イカの駅 つくモール]を散策。

能登小木港から車で10分ほどの場所にある[イカの駅つくモール]は、イカ漁や能登の幸を体験・満喫できる観光施設。こちらの目玉でもあるスルメイカの巨大オブジェ「イカキング」は、フォトスポットとしても人気です。館内にはイカ漁にまつわる展示コーナーや特産品を揃えた直売所など、まさに“イカづくし”の楽しさが詰まっています。

[イカの駅つくモール]に併設するレストラン[酒味坊 ひりゅう]では、小木の船凍スルメイカを使ったさまざまな料理を楽しめます。代表を務める細野涼介さんが、おすすめのメニューを教えてくれました。

インタビュー

料理人から見た小木の船凍スルメイカの特徴を教えてください。

細野涼介さん

小木のイカは1本ずつ急速冷凍しているので、必要な分だけ解凍でき、とにかく使いやすいです。味に関しては、やはり甘みが強いのが特徴。一押しメニューは、岩のりでいただくイカの刺身。これは私が考案したオリジナルの食べ方なんです。

インタビュー

岩のりと一緒に食べるって珍しいですね。では早速いただきます……(もぐもぐ)。イカの甘みに岩のりの磯の香りが絶妙にマッチしますね!そして想像以上に柔らかいです。

細野涼介さん

小木の船凍スルメイカは焼いても柔らかいんですよ。獲ってすぐに急速冷凍している鮮度の高さが、この柔らかさにつながっているのだと思います。

インタビュー

他にもおすすめのメニューはありますか?

細野涼介さん

一番人気は、イカのメンチカツを乗せたボリューム満点のソースカツ丼。イカを細かく刻んでメンチにした“ひきいか”を混ぜ込んだメンチカツを揚げて、特製ソースに絡めています。ぜひ召し上がってみてください。

インタビュー

じゃあせっかくなのでこちらも……(カツをガブリ)。メンチカツにイカを合わせるって全然想像がつかなかったけど、ジューシーなお肉とイカの食感との対比がユニークですね。甘辛い特製ソースにもよく合います。

細野涼介さん

肉だけじゃなく、イカのおいしさもしっかり感じられると思います。名産地だからこそ提供できるぜいたくなメニューです。

番外編:遊覧船「イカす丸」に乗ってみた

[イカの駅つくモール]には、マリンレジャー関連施設も併設。今回は、県内で唯一海中が見える遊覧船「イカす丸」(1日6便運行)に乗ってきました。なんとも可愛い見た目の遊覧船。そして名前がイカしてる……!日本百景に選ばれた九十九湾を約40分かけて周遊しながら、海上と海中の景色を楽しめます。

九十九湾の景色をゆったり堪能して船旅は終了。
美しい景色に大満足でした。
[イカの駅つくモール]に遊びに来た際は、 ぜひ乗ってみてはいかが?

イカの駅つくモール

イカの駅つくモール

石川県鳳珠郡能登町字越坂18字18番1
9:30-17:00
定休日:水曜日
https://ikanoeki.com/

※諸事情等により、変更になる場合がございます。
予めご了承くださいませ。
※2025年9月時点での情報です

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