海と田んぼPROJECT スシロー

Project No.2 愛媛のまぐろ(販売終了)

極上の本まぐろを届けるために。

< 愛媛県南宇和郡愛南町 2014年6月 >

  • 静かな湾内に本まぐろのための巨大な生け簀がある。

  • 養殖を手がけている生産者の林さん(左)と本多さん(右)。

  • 本多さんが50キロを超える本まぐろを一本釣りで。

  • 下処理が済んだら、すばやく船上で氷漬けに。

  • 冷凍せず鮮度を保ったままの状態で加工工場へ。

養殖物が席巻する海のダイヤ

本まぐろ(クロまぐろ)は「海のダイヤ」とも称され、まぐろ類の中でも最も高級で高い人気を誇ります。色鮮やかな赤身から口の中でとろける脂ののったトロまで、どこをとっても一級品。すし好きをとことん魅了するうまさが巨体に詰まっています。

しかし残念ながら回遊する太平洋で、その生育数は減少。最近では、資源保護のために、本まぐろの漁獲枠を減らす取り組みが国際的に進められています。そうした中で存在感を増しているのが、本まぐろの養殖です。近年、研究によって謎に包まれていたまぐろの生態が明らかになるとともに、養殖技術も格段に向上。本まぐろでは、養殖物と天然物が7:3の比率で流通しているといわれています。養殖物は、天然物と比較して味や品質が一定で、より安心・安全であることも人気の理由になっています。

最適な環境で4年の歳月をかけて

スシローでは、そうした安心・安全な本まぐろを、各地の生産者の方々とともに向き合いながらお客様にお届けしていく取り組みを行っています。今回はその中のひとつ、愛媛県の最南端、黒潮の躍る豊かな自然に恵まれた愛南町へ。この地でスシローのための本まぐろを、生け簀(す)で養殖していただいています。瀬戸内海と太平洋の海流が激しくぶつかる日本屈指の漁場として知られる豊後水道に面しており、潮通しは最高。「この海域には、黒潮の分流がスムーズに入ってくるんです。海水の溶存酸素や塩分濃度も適度」と教えてくれたのは、地元で養殖を手がけている極洋日配マリンの林泰史社長。水温も年間で12度以下にならず、本まぐろの養殖場として最適なロケーションにあるそうです。

この素晴らしい環境で、本まぐろの幼魚であるヨコワ(関東では本メジ)から、4年もの長い年月をかけて大切に育てられます。海に設けられた生け簀は、直径50メートルという巨大なもの。約1,500〜2,000匹の立派な本まぐろが、大きな生け簀の中をゆったりと周遊する様はまさに圧巻です。

養殖でただ大きく育てるのであれば容易ですが、脂ののりを優先するのではなく、日本人好みの適度な脂とうまみが凝縮した本まぐろに育て上げるのには、生産者の方々のたいへんな苦労と手間がかかっています。味を決めるといわれる餌には、加工していないそのままのいわしやあじ、さばを9割も使用し栄養管理を徹底。「しっかり新鮮な餌を使い、独自の餌の配合に工夫を凝らし育てています。生け簀の管理も、我々のダイバーが毎日のように潜って行っています」(林さん)。少しぶつかるだけで死んでしまうこともあるくらいストレスに弱い本まぐろのために、30メートルも潜水して余った餌の清掃や生育状態の確認が日々行われています。

本まぐろはオレの命!

早朝、いよいよ本まぐろの出荷の時を迎えます。養殖の本まぐろは1年で10キロ以上成長し、4年で50〜70キロほどに成長します。その巨体を、この海で育った事業部長の本多満行さんが一尾一尾、丁寧に釣り上げていきます。一本釣りの餌に食いついた本まぐろは、修練された見事な手さばきで電気ショックを与えて仮死状態に。ストレスによる急激な体温の上昇で身が焼けてしまうのを防ぎ、傷を付けないための策です。

船上に引き上げて、すばやく神経抜きをすることで鮮度を維持。血抜きをしてエラや内臓の処理を行います。この間、たったの1〜2分という早業です。「いつもできるかぎり早く回収してさばくように心がけています。本まぐろは、オレの命ですからね!」と本多さん。下処理の完了した本まぐろは、氷漬けにして一昼夜かけ冷やし込みを行った後、鮮度を保ったまま船便や陸送で加工工場へ向かいます。そして、店舗に届くまでの約4日間は、本まぐろにとってちょうどよい熟成期間になります。冷凍され日本で加工し販売される天然物とはちがう、水揚げ後一度も冷凍していない生の本まぐろならではの、もっちりとしたねばりのある食感が贅沢な味わいとともに楽しめます。

動画レポートはこちら