海と田んぼPROJECT スシロー

Project No.3 熊野灘の真はた(販売終了)

幻の高級魚をすしネタとして。

< 三重県尾鷲市 2014年9月 >

  • 真はたの生け簀は、静かな湾の中ほどに。

  • 生け簀まで船で案内してくれる三鬼大さん。

  • 三鬼潤一郎さんが大きな網で真はたを寄せて。

  • 出荷用の真はたを港の岸壁までゆっくり慎重に。

  • 3年ものの真はたは、大きく立派に成長。

滅多にお目にかかれない格別の味

「とにかくうまい魚なんで、もっと知ってほしいですね!」——尾鷲の生産者のひとり、三鬼大さんが真剣な眼差しで語ってくれます。魚を知り尽くした人たちが、こぞっておいしいと太鼓判を押すその魚こそ、幻の高級魚真はたです。

真はたは、同じくハタ科に属するくえ同様に成魚になると深場の海に生息し、漁捕が少なく市場にはほとんど流通しません。釣り人にとっても、狙ってもまれにしか釣り上げられない憧れの魚です。そして透明感のある美しい白身は、極めて美味。しっかりした肉感と独特のうまみが楽しめます。真はたが幻の高級魚と呼ばれる所以です。

ミネラルたっぷりの水が流れ込むから最高

その真はたをスシローで、すしネタとして存分に味わっていただくために今回、三重県の尾鷲で真はたの養殖を行っている生産者の方々とともにプロジェクトに取り組みました。三重では、真はたはマス、ハタマスと呼ばれ親しまれてきた魚で、養殖事業として稚魚を育てる種苗(しゅびょう)生産のための技術開発から積極的に行われてきました。近年、その成果で安定した種苗の確保が可能になり、まだいなどと並んで真はたの養殖が盛んです。

ユネスコの世界遺産にも登録されている熊野古道が古い街並みを横切る尾鷲。深い緑の山々がぐるりと街を取り囲みます。「山から天然のミネラルたっぷりの水が海に流れ込むから、最高なんだよね」と教えてくれたのは、生産者の三鬼潤一郎さん。このあたりの熊野灘は、複雑な海岸線と険しい断崖が続くリアス式海岸で、黒潮の支流も流れ込むため潮通しもよく、養殖に適した環境です。「南方よりいくぶん水温は低めなんで、きめ細かい肉質ができあがるんです」(三鬼さん)。

尾鷲の市街地から車で30分ほど、賀田(かた)湾に面した三木浦の漁港へ。目の前に広がる美しい海は、ソフトコーラルなどが群生しダイビングスポットとしても知られています。

ここに真はたを養殖するための生け簀(す)が設置されているのです。船に便乗させてもらい訪れたのは、三鬼潤一郎さんの生け簀。7.5メートル四方の立派な生け簀には、しっかり遮光シートがかけられています。「常にシートをかけておくことで、魚を落ち着かせて暮らしやすい環境を保っている」と三鬼さん。そっとシートのあいだから覗き込むと、幻の高級魚が群れをなして優雅に泳ぐ夢のような光景が。「わりと大人しいでしょ。生産者の性格がええんやろなぁ!」とおどける三鬼さんの笑顔がはじけます。

ここのは脂が細かくて質がいい

生産者の方々は毎日、餌の管理を徹底し、網の点検など生け簀のメンテナンスも欠かすことができません。台風シーズンには、万全の備えで臨みます。ようやく出荷の時期を迎えるのは3年ものから。生け簀から港の岸壁への移動も、ストレスをかけないように慎重に行われます。船に深めにつないだ移動用の活かし網にそっと出荷用の真はたを移し、ゆっくり運びます。船はまるで海上を漂っているかのような驚くほどの遅さ…。育てあげた真はたへの生産者の愛情が伝わってきます。

「ここの真はたの脂は細かくて質がいいと、板前さんに言われた」と、うれしそうに三鬼大さんが話してくれました。恵まれた自然環境で、厳選された飼料で大切に育てられ、引き締まった身質にほのかな脂の甘みを含んだ尾鷲の真はた。今年の10月には、自然の恵みに感謝するため伊勢神宮外宮に奉納されます。「真はたは、まだまだ知名度は低いですが、ぜひスシローでこのおいしさを味わってもらいたいですね」と三鬼さん。このプロジェクトを通じて、真はたの抜群の味わいをお客様にお届けしていきます。

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