ジモメシ 岩手 キムチ納豆ラーメン キムチ×納豆×ラーメンの異色タッグが大ヒット!盛岡のソウルフード「キムチ納豆ラーメン」。柳屋

盛岡のソウルフード[柳家]の「キムチ納豆ラーメン」。

今回は、言わずと知れた球界のスーパースター・大谷翔平選手の出身地、岩手県へ。
県庁所在地の盛岡は、宮沢賢治や石川啄木が青春時代を過ごした地としても知られている。

市街地の中心部には川が流れ、どこかゆったりとした雰囲気が漂う。JR盛岡駅から少し歩くと繁華街があり、映画館が連なる映画館通り沿いのビルに、盛岡の新名物「キムチ納豆ラーメン」を看板メニューに掲げる[柳家 総本店]がある。

「遠くまで、よく来たね」と登場したのは、[柳家]の創業者である大信田和一さん。体力作りのため毎日ジョギングを欠かさず、84歳になった今も厨房で元気に腕を振るっているという。

下積み時代の記憶と、偶然のひらめきから生まれた一杯。

インタビュー

お店の開業にまつわる話を聞かせてください。

大信田和一さん

もともと実家が大迫町(現在は、花巻市と統合)で小料理屋を営んでいて。母親が倒れたことをきっかけに、長男の私が3人兄弟を養うことになり、高校2年生の時に学校を中退して盛岡駅前の仕出し屋で修行。その後は、地元の手打ち蕎麦の有名店などで修行をし、大迫町で蕎麦やラーメンを提供する食堂を始めました。

インタビュー

最初は大迫町にお店があったのですね。

大信田和一さん

お店を続けるうち、「地元の手打ち蕎麦の魅力を多くの人に届けたい」と考えるようになり、1975年に盛岡へ移転しました。大通商店街にあるビル3階に開業しましたが、「2階以上の飲食店は流行らない」という声もありつつも、可能性を信じてそのビルに出店しました。実際、飲食店があることに気付かないお客さまがほとんどで、集客にはかなり苦労しましたね。また、水回りの工事も自分たちで工面したので、金銭的にも大変な思いをしました。とにかく家族を養うために必死で働きました。

インタビュー

開業当初は、手打ち蕎麦がメインだったのですね。

大信田和一さん

そうですね。手打ち蕎麦をメインに、サブメニューとしてラーメンを出していたのですが、少しずつラーメン人気が高まって、ラーメン専門店へとシフトしました。

インタビュー

「キムチ納豆ラーメン」が生まれた経緯を教えてください。

大信田和一さん

「キムチ納豆ラーメン」の前身である「納豆ラーメン」は、[柳家]創業時からのメニューです。仕出し屋で働いていた時、「北国のおもてなしの味」と大将に教えてもらった「納豆汁」のおいしさに感動して、納豆汁をアレンジした納豆ラーメンが生まれました。
納豆ラーメンを好いてくれる人もたくさんいたのですが、それを凌駕する勢いで人気を博したのが、キムチ納豆ラーメンでした。お店を始めて10年ほど経ったある日、奥さんがまかないで食べていた納豆ラーメンに、たまたま近くにあったキムチを加えてみました。すると、キムチの辛みと酸味が味噌のまろやかさと絶妙に合わさり、驚くほどおいしくて。こうして「キムチ納豆ラーメン」が誕生しました。

インタビュー

今でこそキムチと納豆の組み合わせは定番ですが、当時はかなり珍しかったでしょうね。
「キムチ納豆ラーメン」のこだわりも聞かせてください。

大信田和一さん

納豆の風味をしっかり出すため、粘りの強い岩手産の大粒にこだわっています。ラーメンには、味噌と納豆に調味料をブレンドしたオリジナルの「納豆味噌」を使用しているのですが、納豆と味噌がバランス良く調和した味わいを実現するのに苦労しました。

インタビュー

自家製麺には、自社栽培の小麦を使っているそうですね。

大信田和一さん

小麦を自社で栽培しているラーメン店は珍しいかもしれません。うちは長男が農業、次男が社長、長女が経理をしていて。
長男には「地元で愛される一杯を盛岡の食材で作りたい」という想いがあり、2代目に引き継いだ2005年頃から小麦の栽培がスタートしました。岩手の土壌はとても豊かで、きちんと世話をすればいい小麦が穫れるんですよ。
現在は、東京ドーム3個分くらいの畑を所有しており、店頭とは別に農業専門のスタッフが働いています。以前に比べて、麺に対するスタッフの愛情も高まったと思いますし、たまに店頭から離れて農作業をするとリフレッシュにもつながる。そういう意味でも、農業を取り入れて良かったと考えています。

インタビュー

自家製麺のこだわりも教えていただけますか?

大信田和一さん

噛みごたえのあるもっちりとした食感の中太麺です。うちの麺は添加物を加えずに作っているので、その年の小麦によって微妙に麺の味が変わってくるんです。まるでボジョレーヌーヴォーのように、そんな違いも楽しんでもらえたらうれしいですね。

店主の想いが詰まった「キムチ納豆ラーメン」を実食!

インタビュー

野菜がもりもり入っていてボリューム満点ですね!それでは早速いただきます(スープをごくり)。
まろやかでコクのある味噌ベースのスープに、キムチの酸味と辛みが相性抜群です。スープを飲んだ後に残るさりげない納豆の余韻がクセになりそう!
キムチは白菜じゃなく、大根とキャベツなんですね。

大信田和一さん

そうなんです。スープとのバランスが取れるよう、オリジナルのキムチを使っています。

インタビュー

(麺をすすって)麺はもちもちでほどよい弾力があって、コク深いスープにしっかり絡みます。途中で生卵を割ると、キムチのピリリとした辛みがマイルドになりますね。南部鉄器で提供しているのもあって、熱々の状態が長く続いてくれるのもうれしいです。

日々感謝を忘れず、想いを込めた一杯を提供したい。

インタビュー

スシローとの共同プロジェクトへの想いを教えてください。

大信田和一さん

盛岡で愛されてきた「キムチ納豆ラーメン」のおいしさが、全国に広まればうれしいです。こんなプロジェクトが実現したり遠方から取材に来てくれたり、ここまで私たちを引き上げてくれたお客さま一人ひとりに、感謝の気持ちでいっぱいです。

インタビュー

今や「キムチ納豆ラーメン」は、盛岡冷麺、じゃじゃ麺、わんこそばとともに、盛岡のソウルフードのひとつだと言われています。それについてどのように感じていますか?

大信田和一さん

これからも愛していただけるよう、一杯に並々ならぬ想いを込めて提供し続けるのみです。跡を継いだ息子たちにも、お客さまへの感謝の想いを大切に店を守っていってほしいです。

インタビュー

最後に、今後の展望を教えてください。

大信田和一さん

新たに海外のエッセンスを取り入れるべく、[柳家]は10年前にベトナムに出店しました。もうすぐ現地に赴任しているスタッフが帰国するので、今までにないアレンジを加えた一杯を開発し、会社としてさらなる進化を目指したいです。

大信田和一さん

それと同時に、農業にも力を入れていきたいです。日本に流通する小麦の約9割は海外からの輸入に頼っていて、このままでは日本の食が危ないのではと危惧しています。最近は米不足が問題になりましたが、その背景には農業従事者の減少も関係しているのかなと。少し大袈裟ですが、我々のように地域に根付いた飲食店は、どんな状況であってもラーメンを提供し続ける義務があるし、そうし続けたいと考えています。

大信田和一さん

それが我々を支えてくれた盛岡の方にできる、精いっぱいの恩返しなのかなと。若者がもっと農業に興味を持てるような取り組みもやっていきたいですね。ラーメンを通して、そんな想いも届けばいいなと思います。

柳家 総本店

柳家 総本店

岩手県盛岡市大通2-1-23 サンクイーンビル1F
11:00〜27:00
日曜のみ11:00〜24:00
定休日 なし
https://ramen-yanagiyagroup.com/

※諸事情等により、変更になる場合がございます。
予めご了承くださいませ。
※2025年10月時点での情報です。

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