海と田んぼPROJECT スシロー

Project No.1 滋賀の田んぼ(販売終了) ※一部地域では販売が終了しております。

Vol.1 田植え編 すしの命をともに育む。

< 滋賀県東近江市 2014年7月 >

  • 5月には、スシローの豊﨑社長も田植えに挑戦。

  • 生産者の山中さんは、田植機を自在に操り次々と。

  • 田植えのあとに、レーク65をいただく。うまい!

  • 田植えを終えた田んぼに、のぼり旗がはためく。

  • 7月にはこの通り、見事に育って田んぼは青々と。

東京ドーム約16個分

滋賀県の東南部、東近江市にある田んぼを訪れた日は、各地で猛威を振るった台風8号がちょうど通り過ぎたあとでした。「稲が倒されてしまっていたらどうしよう」。そんな心配をよそに、目の前には一本一本すっくと立って勢揃いした美しい見事な田んぼが広がっていました。

鈴鹿山系に源を発する日野川とその支流の佐久良川の流域にひらけた、古くからの農村地帯。粘土質で地力がよく豊かな自然に恵まれたこの地で、スシローの「海と田んぼPROJECT」の一環として、総勢135戸の生産者の方々に約110ヘクタール、東京ドーム約16個分もの広大な田んぼでスシローのためのお米をつくっていただいています。

作付けされているのは、滋賀県の農業試験場でヒノヒカリとキヌヒカリの交配から生まれ育成されたレーク65という早生(わせ)の品種です。米粒が大きく、粘りはそれほど強くなく、味はあっさりしていて寿司米に最適であることから選定されました。茎が短くしっかりしているので倒伏しにくいうえに暑さにも強く、安定した収量が見込めるのも大きな魅力です。年間約400~500トンが生産され、全量スシローのお米の一部として大切に使わせていただいています。

ひとつでも手を抜くとダメになる

5月にはスシローの豊﨑社長も田植えに参加し、その後も稲は天候に恵まれて順調に生育。7月中旬には成長して数を増やし青々とした茎の中に、小さなお米の赤ちゃん、幼穂(ようすい)を形成する時期を迎えていました。「いいお米をつくるには、これから収穫までがいちばん大事」と語るのは生産者のひとり、山中克己さん。レーク65は早生なので、カメムシなどの害虫も真っ先にやってくるため、田んぼのまわりの雑草をこまめに刈り取る必要があります。また、生育具合やその時々の気温や天気に合わせて、田んぼに張った水の量をきちんと調整することも重要です。「ひとつでも手を抜くとダメになる。虫や暑さから守りながらいいものを吸収させてあげないと、おいしいお米にならないんです」(山中さん)。

関西の水瓶である琵琶湖にも近く、管轄するJA滋賀蒲生町(がもうちょう)の指導のもとで、積極的に環境に配慮した米づくりに取り組んでいるのも、この地域の特徴です。農薬をできるだけ控え、慣行栽培では14成分であるが、環境こだわり農産物栽培指針では5割以下の7成分に抑え使用する回数を決め、最後に使った農薬をすべて生産履歴として申告するかたちを採用しています。安心・安全の米づくりのための日々の努力をうかがい知ることができます。

行き先がわかっていると、ヘタなものはつくれない

山中さんの「成長してどんどん顔が変わっていく」と語る田んぼが、稲刈りの時期を迎えるのは8月末ごろ。収穫されたお米は、全農で寿司米として最適なものに仕上げるためにブレンドされます。全農では、常においしくかつ安定した供給ができるよう、さまざまな品種でテストを行い試行錯誤を繰り返しながら、レーク65をベースにした独自のブレンドのレシピを開発しています。「将来的にはスシロー専用の品種をぜひ開発したい」と語る全農のご担当者の心強い言葉に励まされました。

広い田んぼのあちこちに「スシローのお米を育てていただいています。」と書かれたのぼり旗が立ってます。「最初は作業の邪魔になると嫌がられるかなと心配したんですが、とても喜んでいただいて」(全農のご担当者)。山中さんは「自分のつくったお米の行き先がわかっていると、ますますヘタなものはつくれない。家族でスシローに行って、ウチでつくったお米やと自慢してます」。

すしの命はシャリ。ネタと同じように、目利きであるべき寿司屋だからこそ、おいしくていいお米をいっしょにつくりたい——プロジェクトの思いが、たしかな足取りで少しずつ広がっています。

  • 豊﨑賢一は2016年2月1日より、株式会社スシローグローバルホールディングス 取締役に就任

Vol.2 収穫編 豊かな実りを全店へ。

< 滋賀県東近江市 2014年8月 >

  • 穂先を垂らした稲穂は、見事な黄金色に染まって。

  • 今年の出来具合について、にこやかに語る山中さん。

  • コンバインで刈り取り脱穀された籾はトラックへ。

  • 赤いのぼり旗も、黄金色の田んぼによく映えて。

  • 稲刈りを終えて、記念写真を生産者の方々と。

稲刈りはうれしい!

まだ空も寝ぼけたようにぼんやりとしている8月末の早朝。広い田んぼの一角に、見るからに気合いの入った人たちが次々に集まってきます。今日は、スシローの「海と田んぼPROJECT」の一環として、滋賀でつくっていただいていたお米の、最初の稲刈りが行われるのです。

育てていただいたのはレーク65という早生(わせ)の品種のため、いち早く穂を実らせ、田んぼ全体がきれいな黄金色に輝いています。スシローの豊﨑社長も駆けつけて、生産者のひとり、山中克己さんとともに、まずは鎌を片手に田んぼに入ります。山中さんが社長に稲刈りのコツを伝授しながら、株の基部をすばやく刈り取って束ねていきます。ぬかるんだ土に足を取られながら、「結構、これは足首にくるなぁ!」(豊﨑社長)、「田んぼの歩き方にもコツがあるんで」(山中さん)と、たいへんな手作業ながら、うれしそうな表情で収穫の喜びに包まれるふたりです。

続いて、コンバインに社長が乗り込んで機械での稲刈りがはじまります。刈り取り部の高さの調整やハンドルの切り方に悪戦苦闘しながら、力強い音を立ててコンバインが進んでいきます。途中、田んぼからあわてて逃げ出したイナゴを、「こういうのが田んぼに住んでいるのは、農薬を使うのをできるだけ控えている証拠だね」と言いながら、山中さんがそっと慈しむように手づかみ。

「今年は、稲穂が成熟する大事な時期に、長雨と台風、日照不足で苦労しました」と山中さん。「農家は、雨の日が続くと心配で夜も眠れなくなるものです。やっぱり自然を相手に農業をしていますから。お米は、工場(こうば)の中で作るものとはちがう。極力、影響を受けないように努力はするのですが、どうしてもその年の天候に左右されてしまいますね」。それでも滋賀では、幸い大きな災害もなく、無事に収穫の季節を迎えることができました。

おいしいお米をつくるコツ

田んぼをぐるりと一周してきたコンバインは、途中で刈り取りながら脱穀して選別した籾(もみ)を、トラックに移します。勢いよく排出される籾から、しっとりとしたいい香りがふんわり沸き立ちます。

「この収穫の喜びを実感するためにやっている。それが米づくりです。おいしいお米をつくるには、とにかく管理が大切。それも、ただ通りいっぺんのやり方ではダメなんです。毎日、作付けした稲を見ながら、水の具合や肥料の時期を調整する。稲がお腹をすかしてほしがっているタイミングを逃さないように。人間と一緒ですね」と山中さん。

田んぼの周囲に立つのぼり旗も一役買って、山中さんのところにも、ほかの地域の生産者の方からたびたび問い合わせがあり、「スシローのお米をつくっていることで、かなり注目されている」とのこと。「つくったお米の行き先と、ちゃんと食べてもらっているのがわかるのはとてもうれしいこと。これからは消費者の方々に求められているものを、きちんとつくる農業に向かっていくのではないでしょうか。そうした声に応えながら、少しでも食味を上げて喜ばれる米づくりをやっていきたいですね」(山中さん)。

収穫されたお米を10月からスシロー全店で

今年、滋賀で収穫されたお米は、寿司米として適したかたちにブレンドし、10月からスシロー全店で使わせていただきます。「こうした取り組みを、もっと全国のいろいろな地域に広げていきたいと考えています」(豊﨑社長)。「つくっている生産者の方も、消費者の方も、そして当社も、すべてが見えるのはとてもよいことです。食の安心・安全、信頼にもつながるし、うまさにもなっていきます。もちろん、お米だけでなく、いろいろなネタ、ワサビや醤油も同じです。その全体がお客様のお口に入ってどんな味わいや感じ方になるか、それがすしですから。日本全国の生産者の方々に、スシローに関わっていることを誇りに思っていただけるようなすしを、これからもしっかりつくっていくことが大切だと思っています」。

すしのうまさを突きつめて、スシローの「海と田んぼPROJECT」は、今後もさらに展開していきます。

  • 豊﨑賢一は2016年2月1日より、株式会社スシローグローバルホールディングス 取締役に就任

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