「私がいなくても、お店は回っていました」。
一人で抱えるのをやめてから、仕事の仕方が変わった
大澤 未来新川崎スクエア店 店長
今回お話を伺ったのは、スシロー 新川崎スクエア店で店長を務める大澤さん。幅広い年代・国籍のスタッフさん約80名とお店を動かしています。
そんな大澤さんがスシローと出会ったのは、高校1年生のとき。アルバイトとして働きはじめ、大学を卒業するまで続けました。大学では小学校教育を学び、教員になる道も考えていたそうです。答えを出すまでには、ずいぶん迷いもあったそうですが、そこからスシローの社員になり、副店長、店長へ。立場が変わっても、大澤さんが見ているのは一緒に働くスタッフさん一人ひとりです。
一人ですべてを抱え込んでいた店長が、周囲を頼れるようになり、自分がいない日でも回るお店をつくるまで。その間に何があったのか、詳しく聞きました。
大澤 未来
新川崎スクエア店 店長
2020年4月 株式会社あきんどスシロー入社
高校1年生からアルバイトとしてスシローで働き、大学卒業と同時に社員へ。スシロー 東戸塚店でキャリアをスタートし、一般社員、副店長を経て、これまで2店舗で店長を務める。現在はスシロー 新川崎スクエア店で、高校生から年上の方まで約80名のスタッフさんとともに働いている。アルバイトのころ、わからないことを聞ける職場に助けられた経験から、今度は自分が風通しの良い職場をつくるため日々奮闘中。
※所属・役職は公開時点
「近いしよく行くし、いいじゃん」で選んだ店に7年
—— 大澤さんは、アルバイトから社員になられました。スシローで働きはじめたきっかけを教えてください。
実は、最初に入ったきっかけは、たいした理由ではなくて……。スマホで求人を探していたときに、スシロー、近いしよく行くし、いいじゃん、と。家族でよく食事をしていた場所ですし、親も知っているので安心だなと思ったんです。
当時は中学校を出たばかりで、まだ接客用語すら知らない状態だったので、ベテランのスタッフさんにお母さんのように教えていただいて。家族ではないんですが、「ママ」と呼ばせてもらうほどの関係性でした。一緒に働く仲間たちと、休みの日に一緒にごはんを食べに行くくらい打ち解けていましたね。気づけば、大学を卒業するまで7年いました。
—— アルバイトとして働いていた当時、社員の方々はどんなふうに見えていましたか?
途中から、店長も副店長も女性という時期があったんですね。当時はまだ珍しかったのですが、おふたりともまるで姉妹みたいにニコニコ話しながら、協力し合って営業されていたのが印象的でした。
私にも妹のように接してくださって。おふたりの関わり合いや周囲への接し方を見ていて、「なんだかいいな」と漠然と思っていたんです。
教員かこの会社か。決め手は「聞きやすさ」だった
※実際の業務中はマスクを着用しております
—— 社員になることを考えはじめたのは、いつごろだったのですか?
大学2年生くらいのときに、当時の店長から「社員、ちょっと考えてみたら?」と声をかけていただきました。
当時はまだ小学校の先生になる道も考えていたので、どちらに進むか決めきれずにいて。それでも興味を持って、スシローの説明会にも何度か足を運びました。いろいろな店長や副店長を見ていくなかで、どの方も素敵だったんです。「こういう職場なら楽しいだろうな」と思いはじめました。
—— 教員という道もあったなかで、最後は何が決め手になりましたか?
スシローで働いていた期間、アルバイトの私でも気を使いすぎず、わからないところはすぐ周囲に聞けていました。それが私にとってはとても大きかったと思います。
7年間その環境にいたので、当たり前だと思っていたんです。でも、学校の実習に行ったときは、聞きたいことがあっても、タイミングをずっと自分で計っていました。
外の世界を見てあらためて、自分の性格に合う環境で、なおかつ気軽に質問できる場所のほうが、自分は力を出せるんだとわかりました。それまで体感してきた、一緒に働く職場や仲間の雰囲気が決め手だったと思います。
店長になった途端、一人になった気がした
—— 副店長、店長とキャリアを重ねてこられて、一番しんどかった時期はいつでしたか?
初めて店長になったときです。副店長までは何かあったら責任は店長が取ってくれるという安心感がどこかにありました。それが、店長になると最後に責任を持つのは自分になります。
この店に何かが起きたら、責任が自分にあるのは事実です。ただ、全部を一人でなんとかしないといけない、と当時は思い込んでいたんです。業績への期待にも応えなければと自分で背負ってしまい、心をすり減らしていました。
—— そのとき、上司の方にはなんと伝えられたのですか?
「自分は経験も知識も足りていない、まだ店長になるには早いと思います」と素直に伝えました。一度、店長を離れて学び直す時間をいただけないかとお願いしたんです。実際に、その時間をいただきました。その際に上司から返ってきたのは、「そんなに気負わなくていい」という言葉でした。
—— 気負わなくていい、ですか?
はい。ずっと近くで見てくださっていた方でしたから、私が抱え込んで参っていることも伝わっていたと思います。その一言で、肩の荷がすっと下りました。できないことのほうが多くて当たり前だよな、と思えたんです。
それに、周りが放っておいてくれませんでした。ベテランの店長たちが毎日のように電話をくださって、私のお店なのに入れ代わり立ち代わりヘルプに来てくださって。
—— そこからもう一度店長に戻られて、仕事への向き合い方は変わりましたか?
役職に関係なく、周りに相談できるようになりました。上司にも、私より経験の長い副店長にも、こういうときどうしたらいいかなと連絡をして。スタッフさんにも、助けてほしいと正直に言えるようになりました。
私、頼られるのは嬉しいのに、自分が頼るのはずっと下手だったんです。この仕事は一人ではできないと、あのときやっと思えました。それまでは、先に声をかけてくれるのはいつも周りの方でした。でも、今は自分から言えます。一人で抱えなくなってからのほうが、お店はうまく回っていると感じます。
声をかけてもらった私が、今度は声をかける側へ
※実際の業務中はマスクを着用しております
—— 今は店長としてスタッフさんを迎える側になりました。どんな方がスシローの社員に向いていると感じますか?
お店には、高校生から私よりずっと年上の方までいらっしゃいます。この地域は海外から来た方も多く、日本語を学びはじめたばかりの方もいます。手洗いなどの基本のルール一つ取っても、どう伝えれば届くかは相手によって変わるので、翻訳アプリを使ったり、ジェスチャーを交えたり。伝え方は日々勉強しています。
年齢も話せる言葉も、一人ひとり本当に違うんです。それでも共通して一番必要なのは素直さだと思います。わからないことを周りに聞けて、挨拶と返事をちゃんとされる方ですね。ペースは人それぞれで大丈夫です。私も、店長から声をかけていただいた側でした。今はその立場が入れ替わって、いいなと思う方には自分から声をかけています。
—— 大澤さんが社員になったころと今で、一番変わったと感じるのはどこですか?
会議に参加すると、全国的に女性の店長が増えてきているのを感じます。本社の採用でも女性の活躍に力を入れていると聞きます。
休みも、5連休を年に2回は取るようにと会社から言われています。この間も週のなかで一番忙しいところを空けたんですけど、私がいなくても、お店は回っていました。一人で抱えていたころなら、休みの日も店のことが気になって仕方がなかったと思います。
働き方が変わってきたのは時代だけの話ではないと思います。社員が上司に意見を素直に言えて、それが実際に制度へ反映されていく。そこが強みだと感じています。
—— 最後に。大澤さんにとって、立場が変わっても変わらないものを教えてください。
人のために何かをするのが好きなところです。そこだけは、アルバイトのころから何も変わっていません。頼られるのは嬉しいですし、期待されると、よし頑張るぞとなるんです。そこに今は自分から頼ることも加わりました。
今日まで働いてきて、スシローは頑張ったぶんだけ自分に返ってくる会社だと感じていますし、何か困ったことがあれば、周りの方たちが助けに来てくれます。だから今度は、私が誰かのために、お店のために頑張りたいと思っています。








